視野検査が終わると、多くの場合、医師から、何やら数字や、白黒の濃淡で描かれた、複雑な図を見せられます。この検査結果を、自分自身でもある程度、読み解くことができると、病状への理解は、さらに深まります。静的視野検査(ハンフリー)の結果用紙で、特に重要なのが、「グレースケール表示」と、「トータル偏差・パターン偏差プロット」です。まず、「グレースケール表示」は、測定された視野の感度を、白から黒への、濃淡のグラデーションで、地図のように視覚的に表現したものです。感度が正常な部分は白く、感度が低下している部分(暗点)は、その低下の度合いに応じて、灰色から黒へと、濃く表示されます。これにより、視野のどの部分に、どの程度の欠損があるのかを、直感的に把握することができます。次に、より客観的な評価のために用いられるのが、「トータル偏差プロット」と「パターン偏差プロット」です。これらの図は、測定された感度の値を、同年代の健常者の平均的な値と比較して、その「差(偏差)」を、記号で示したものです。「トータル偏差」は、全体的な感度の低下(例えば、白内障などによる、全体的な見えにくさ)を含んだ、偏差を示します。一方、「パターン偏差」は、その全体的な感度低下の影響を、統計的に補正した上で、緑内障に特徴的な、局所的な感度の低下だけを、純粋に抽出して表示します。このパターン偏差プロットに、黒い四角の記号が、特定のパターン(例えば、鼻側の上方に、弓状に連なるなど)で現れた場合、それは、緑内障による視野欠損である可能性が、極めて高いことを示唆します。これらの図に加えて、MD値(視野全体の平均的な感度低下を示す指標)や、PSD値(視野の局所的なばらつきを示す指標)といった、統計的な数値も、病気の進行度を、客観的に評価する上で、重要な手がかりとなります。
結果の見方、グレースケールと感度低下の意味