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知識
  • 点滅する光との根比べ、「静的視野検査(ハンフリー視野計)」

    知識

    緑内障の早期発見や、詳細な経過観察において、現在、世界中の眼科で、最も標準的に用いられているのが、「静的視野検査」です。この検査で、ゴールドマン視野計と並ぶ、代表的な機器が、「ハンフリー視野計」です。動的視野検査が「動く光」を使うのに対し、静的視野検査は、その名の通り、「静止した光(点滅する光)」を用いるのが、最大の特徴です。検査の基本的なスタイルは、動的視野検査と似ています。患者さんは、ドーム状の装置に顔を固定し、中心の目印を、片目だけで、じっと見つめ続けます。すると、ドーム内の、様々な場所に、様々な明るさの光が、ランダムに、そして一瞬だけ、点滅します。患者さんは、その光が見えたと感じたら、手元のボタンを押して、応答します。この検査は、まさに、コンピュータと、患者さんの集中力との「根比べ」です。機械は、患者さんの応答を見ながら、光の明るさを、見えたり見えなかったりする、ギリギリの閾値(いきち)まで、自動で変化させていきます。そして、あらかじめプログラムされた、数十から百ヶ所以上の測定ポイント、一つひとつにおける、「光に対する感度」を、数値として、精密に測定していくのです。例えるなら、森の中の、決まったポイント、一つひとつに対して、「どれくらい弱いランプの光まで、認識できるか」という、感度のレベルを、詳細に調査していくようなイメージです。この検査の最大のメリットは、患者さん自身が気づいていない、ごく初期の、小さな、そして、感度がわずかに低下しただけの「相対暗点」をも、極めて高い精度で検出できることです。そのため、緑内障による、ごく初期の視野変化を捉えるのに、絶大な威力を発揮します。検査結果は、グレースケール表示や、数値データ、そして統計解析プログラムによって、客観的に評価され、病気の進行度を、経時的に、ミリ単位で追跡していくことが可能になります。