-
検査を成功させるコツ、上手な受け方と注意点
視野検査、特に、集中力と根気が必要な静的視野検査は、患者さんの協力なくして、正確な結果を得ることはできません。検査の精度は、患者さんの「上手な受け方」に、大きく左右されると言っても過言ではありません。ここでは、検査を成功させるための、いくつかの重要なコツと、注意点をご紹介します。まず、最も重要な、そして最も難しいのが、「中心の固視灯から、絶対に眼を動かさないこと」です。検査の目的は、中心を見ている時の「周辺の見える範囲」を測ることです。光が見えたからといって、そちらに視線を向けてしまうと、全く意味がありません。たとえ、視野の端で、ぼんやりとした光が見えても、ぐっとこらえて、中心のオレンジ色の光(ハンフリーの場合)だけを、見つめ続けてください。機械は、あなたが中心を見ているかどうかを、常に監視しています。次に、「リラックスして、自然な呼吸を続けること」です。緊張して息を止めたり、力んだりすると、疲労が早まり、集中力が途切れてしまいます。肩の力を抜き、楽な姿勢で、普段通りの呼吸を心がけましょう。そして、「見えたと思ったら、正直に押す」ことです。光は、非常に明るいものから、見えるか見えないか、ギリギリの、幻のような淡い光まで、様々です。自信がなくても、「今、何か光ったような気がする」と感じたら、ためらわずに、ボタンを押してください。逆に、何も見えなければ、決してボタンを押してはいけません。「見逃してはいけない」と焦るあまり、見えてもいないのにボタンを押してしまうと、実際よりも、視野が良好であるかのような、誤った結果が出てしまいます。また、検査中に、疲れたり、集中力が途切れたり、あるいは、体勢がつらくなったりした場合は、決して我慢せず、ボタンを押し続けるなどして、検査員に合図を送ってください。いつでも、休憩を取ることは可能です。体調が悪い日に、無理して検査を受けるよりも、後日、コンディションの良い時に、改めて検査する方が、よほど信頼性の高いデータが得られるのです。