目の疲れを感じた時、多くの人が求めるのが、あの、目に染み渡るような、キーンとした「清涼感(爽快感)」ではないでしょうか。ドラッグストアの棚には、「クール!」「超爽快!」といった、刺激の強さを競うような、クール系の目薬が、数多く並んでいます。この、スーッとする感覚は、疲れた目を、シャキッとさせ、気分をリフレッシュさせてくれる、心地よいものです。この清涼感の正体は、「l-メントール」や、「dl-カンフル」といった、添加物です。これらの成分が、目の表面にある、冷たさを感じる神経(冷覚受容体)を、刺激することで、実際には、温度は変わっていないのに、脳が「冷たい!」と錯覚し、爽快感が得られるのです。この感覚は、確かに、一時的に、目の疲れが、紛れたように感じさせてくれます。しかし、ここで、冷静に、理解しておかなければならないのは、この「清涼感の強さ」と、目薬としての「治療効果の高さ」は、全く、イコールではない、ということです。清涼感は、あくまで、使用感を良くするための「演出」であり、それが、直接、ピント調節筋の凝りをほぐしたり、角膜の傷を修復したりするわけでは、ありません。むしろ、注意すべき点もあります。清涼感が強すぎると、その刺激によって、涙が、過剰に分泌され、せっかくの有効成分が、涙と一緒に、流れ出てしまい、効果が、薄れてしまう可能性があります。また、目が、すでに、傷ついていたり、炎症を起こしていたりする場合には、その強い刺激が、かえって、症状を悪化させてしまう危険性もあります。ドライアイが、ひどい人にとっては、メントールの、スーッとする感覚が、逆に、ヒリヒリとした、刺激痛に感じられることもあります。清涼感は、あくまで、自分の「好み」で選ぶべき、付加的な要素です。大切なのは、その心地よい感覚に惑わされず、その目薬に、自分の症状を改善するための、どのような「有効成分」が、きちんと配合されているのかを、冷静に、見極めることなのです。
清涼感は効果の証?クール系目薬との正しい付き合い方