疲れた目に、鏡を見ると、白目が、赤く充血している。この見た目の問題を、すぐに解消したいと、多くの人が、「充血除去」を謳った目薬に、手を伸ばします。確かに、これらの目薬を差すと、数分後には、嘘のように、白目の赤みが引き、すっきりとした印象になります。この、即効性の秘密は、「血管収縮剤」という成分にあります。テトラヒドロゾリン塩酸塩や、ナファゾリン塩酸塩といった成分が、白目の表面を走る、拡張した毛細血管を、強制的に「収縮」させることで、赤みを、見えなくしているのです。しかし、この血管収縮剤の使用には、注意が必要です。なぜなら、これは、あくまで、症状を、一時的に「隠している」だけの、対症療法に過ぎず、充血の根本原因である、炎症や、酸素不足を、治しているわけではないからです。むしろ、血管を、無理やり収縮させることは、目への、酸素や栄養の供給を、かえって、妨げてしまう、という側面も持っています。さらに、この薬を、長期間、連用すると、薬の効果が切れた時に、リバウンドとして、以前よりも、ひどい充血(反跳性充血)を、引き起こしたり、薬なしでは、充血が、治まらなくなってしまったりする、危険性があります。目の充血は、あなたの目が、疲労や、炎症、酸素不足によって、悲鳴を上げている「SOSサイン」です。そのサインを、血管収縮剤で、安易に、覆い隠してしまうことは、根本的な問題から、目をそらす行為に、他なりません。もちろん、大事な会議の前など、一時的に、見た目を、すっきりさせたい場合に、頓服的に使用するのは、有効です。しかし、慢性的な充血に悩んでいる場合は、血管収縮剤に頼るのではなく、その原因となっている、目の疲れや、炎症を、根本からケアする成分(抗炎症成分や、代謝促進成分など)が含まれた目薬を選ぶか、あるいは、眼科を受診して、その原因を、突き止めることが、賢明な選択です。
充血はSOSサイン?血管収縮剤の功罪