緑内障や、網膜色素変性症のように、ゆっくりと進行する視野狭窄とは対照的に、ある日突然、発症し、急速に進行する、緊急性の高い、視野狭牢もあります。これらは、眼の中で、急激なイベントが起きていることを示す、危険なサインであり、一刻も早い、専門的な治療が、必要となります。その代表格が、「網膜剥離(もうまくはくり)」です。これは、眼の奥の、フィルムである網膜が、土台から、剥がれてしまう病気で、放置すれば、失明に至ります。その視野狭窄は、「視野の端から、黒いカーテンや、影が、だんだんと、中心に向かって、覆いかぶさってくる」と、表現されるのが、典型的です。多くの場合、その前兆として、急激な「飛蚊症」の悪化や、「光視症(閃光が走る)」を伴います。剥離が、視力の中枢である黄斑に及ぶ前に、緊急手術を行うことが、視力予後を、大きく左右します。次に、「網膜血管閉塞症(もうまくけっかんへいそくしょう)」も、突然の視野欠損を、引き起こします。これは、網膜に、栄養を送る血管(動脈や静脈)が、血栓(血の塊)などで、詰まってしまう、いわば「眼の梗塞」です。詰まってしまった血管が、栄養していた領域に対応して、視野の一部が、突然、見えなくなります。特に、網膜の中心の動脈が詰まる「網膜中心動脈閉塞症」は、数時間のうちに、回復不能な、深刻な視力低下をきたす、最重症の救急疾患です。また、網膜と脳をつなぐ「視神経」そのものに、炎症が起こる「視神経炎」も、比較的、急激に、視野異常を、引き起こします。視神経炎では、多くの場合、視野の中心部が、見えなくなる「中心暗点」が、特徴的で、眼を動かすと、眼の奥が痛む「眼球運動時痛」を、伴うことが多くあります。これらの、急激に発症する視野狭窄は、いずれも、時間との戦いです。「少し、様子を見よう」などと、自己判断することは、絶対に禁物です。すぐに、眼科専門医の診察を受けてください。