「スマートフォンの文字が、ぼやけて見える」「パソコンの画面から、ふと顔を上げると、遠くの景色に、なかなかピントが合わない」。こうした、目の「ピント調節機能」の不調は、現代人にとって、極めてありふれた悩みの一つです。多くの人は、これを、単なる「目の疲れ(眼精疲労)」や、「年のせい(老眼)」だと、自己判断し、放置してしまいがちです。確かに、その多くは、目を酷使したことによる、一時的な機能低下です。しかし、この「ピントが合わない」という、一見すると些細な症状の裏側には、時に、あなたの目の健康を、あるいは、全身の健康を脅かす、重大な病気が隠れている可能性もあるのです。私たちの目は、カメラのオートフォーカス機能のように、見たいものの距離に応じて、瞬時に、ピントを合わせる、非常に精巧なメカニズムを備えています。このメカニズムは、眼の中のレンズである「水晶体」と、その厚みを調節する「毛様体筋」という筋肉、そして、それらをコントロールする「自律神経」の、三位一体の、絶妙な連携によって、成り立っています。このシステムの、どこか一つにでも、異常が生じれば、私たちのピント調節機能は、たちまち、そのスムーズさを失ってしまいます。ピントが合わないという症状は、あなたの目が発している、重要なSOSサインです。単なる疲れと決めつけずに、なぜ、そのような症状が起きているのか、その根本原因に、一度、真剣に、耳を傾けてみる必要があります。