20代や30代といった、本来なら、老眼とは、無縁のはずの若い世代で、「夕方になると、手元の文字が、ぼやけて見えにくい」「近くから遠くへ、ピントを切り替えるのに、時間がかかる」といった、老眼に似た症状を訴える人が、急増しています。これが、いわゆる「スマホ老眼」、医学的には「調節緊張(ちょうせつきんちょう)」や「調節機能障害」と呼ばれる状態です。これは、真の老眼のように、水晶体が、硬化してしまったわけではありません。その主な原因は、スマートフォンの長時間利用などによって、ピント調節筋である「毛様体筋」が、極度に、緊張し、凝り固まってしまったことにあります。近くの画面を、長時間、凝視し続けると、毛様体筋は、その間、ずっと収縮し、力を入れっぱなしの状態になります。これは、腕に、重いダンベルを、何時間も持ち続けているのと、同じです。やがて、筋肉は、疲弊し、痙攣(けいれん)を起こしたような状態になり、いざ、遠くを見ようとして、リラックスするように、脳から指令が出ても、その緊張を、うまく、緩めることができなくなってしまうのです。その結果、遠くがぼやけて見えたり、ピントの切り替えが、スムーズに、いかなくなったりします。これが、「スマホ老眼」の正体であり、いわば「目の筋肉の、ひどい凝り」の状態です。この状態を放置し、さらに、目を酷使し続けると、慢性的な眼精疲労、ドライアイ、そして、頭痛や、肩こり、吐き気といった、全身の不調へと、繋がっていきます。幸いなことに、スマホ老眼は、真の老眼とは異なり、可逆的な、つまり、改善可能な状態です。毛様体筋の緊張を、意識的に、ほぐしてあげることが、症状改善の、鍵となります。