高い眼圧が、視神経に、深刻なダメージを与え、視野を欠損させていく。この、恐ろしいプロセスを、知った上で、私たちは、治療に対して、どのような心構えを持つべきなのでしょうか。ここで、最も、冷静に、そして、厳粛に、受け止めなければならない事実があります。それは、「緑内障の治療の目的は、病気を、完全に治癒させることでも、失われてしまった視野を、元通りに、回復させることでもない」ということです。現在の医学では、一度、死んでしまった視神経を、再生させる方法は、存在しません。したがって、緑内障によって、失われてしまった視野は、二度と、元には戻らないのです。では、治療の、真の目的は、何なのでしょうか。それは、「眼圧を、その人の視神経にとって、安全なレベルまで、下げることによって、病気の進行を、最大限に、遅らせる、あるいは、食い止めること」にあります。緑内D”症は”、高血圧や、糖尿病と同じ、「慢性疾患」であり、生涯にわたって、付き合っていく必要のある、病気です。治療のゴールは、「完治」ではなく、「現在の視野を、生涯にわたって、維持し、失明に至ることを、防ぐ」ことに、置かれます。この目的を達成するために、眼圧を下げる点眼薬を、毎日、欠かさず続けたり、定期的な検査で、病気の進行度を、注意深く、モニタリングしたりするのです。この事実を、受け入れることは、患者さんにとって、時に、つらいことかもしれません。しかし、この現実から、目をそらさず、病気と、前向きに、向き合うことこそが、治療を、成功に導く、唯一の道です。悲観する必要は、全くありません。早期に発見し、適切な治療を、根気強く、継続しさえすれば、緑内障の進行は、多くの場合、良好に、コントロールすることが可能です。そして、生涯にわたって、日常生活に、支障のないレベルの視機能を、維持し続けることは、十分に、可能なのです。