白内障の予防を、本気で考えるのであれば、他の、どんな対策よりも、まず、最初に取り組むべき、そして、絶対に、避けられない、最も重要な生活習慣の改善があります。それが、「禁煙」です。喫煙は、「百害あって一利なし」と言われますが、こと、白内障に関しては、その進行を、劇的に加速させる、「最悪のリスク因子」であることが、数多くの、科学的な研究によって、明確に証明されています。その理由は、大きく分けて二つあります。第一に、喫煙は、体内に、極めて大量の「活性酸素」を、発生させる行為だからです。タバコの煙に含まれる、数千種類もの化学物質は、体内で、強力な酸化ストレスを引き起こし、水晶体を構成する、デリケートなタンパク質や、脂質を、直接、傷つけ、変性させてしまいます。これは、自らの意思で、眼のレンズを「錆びつかせる」行為に、他なりません。第二に、喫煙は、その酸化ストレスと戦うための、体内の「防御システム」をも、同時に、破壊してしまうからです。私たちの体内で、最も強力な抗酸化物質の一つである「ビタミンC」は、喫煙によって、大量に、消費・破壊されてしまいます。タバコを一本吸うごとに、約25mgものビタミンCが、失われるとも言われています。つまり、喫煙者は、攻撃(酸化ストレス)が、増える一方で、守備(抗酸化力)が、弱まるという、二重のダメージを、常に、受け続けているのです。その結果、喫煙者は、非喫煙者に比べて、白内障、特に、視力低下に、繋がりやすい「核白内障」や「後嚢下白内障」の、発症リスクが、2倍から3倍にも、跳ね上がることが、多くの、大規模な疫学調査で、示されています。そして、このリスクは、タバコの本数や、喫煙年数に比例して、増大していきます。さらに、恐ろしいのは、自分が吸わなくても、周囲の人のタバコの煙を吸う「受動喫煙」でも、同様に、リスクが高まることです。白内障の予防は、禁煙から始まります。それは、あなたの眼の未来を守るための、最も効果的で、かつ、コストのかからない、最高の「自己投資」なのです。