「ピントが合わない」という症状は、実は、目の問題だけでなく、体全体に影響を及ぼす「全身性の病気」や、服用している「薬の副作用」が、原因で、現れることもあります。目が発するサインが、思わぬ、全身の病気の発見に繋がるケースも、少なくないのです。まず、最も注意すべきなのが、「糖尿病」です。血糖値が高い状態が続くと、水晶体の中に、ソルビトールという物質が溜まり、水晶体が、一時的に、むくんだ状態になります。これにより、眼の屈折力が変化し、急に近視が進んだり、遠視になったりと、ピントが、不安定になることがあります。血糖値の急激な変動が、視力の変動として、現れるのです。これは、より深刻な合併症である「糖尿病網膜症」の前触れである可能性もあり、非常に重要なサインです。次に、「自律神経失調症」や「更年期障害」も、ピント調節機能に、影響を及ぼします。ピント調節筋である「毛様体筋」は、自律神経によって、コントロールされています。そのため、ストレスや、ホルモンバランスの乱れによって、自律神経の働きが、不安定になると、毛様体筋のコントロールも、うまくいかなくなり、「ピントが合いにくい」「目が疲れやすい」といった、症状が現れるのです。また、甲状腺の機能が亢進する「バセドウ病」では、眼球が、突出することによって、眼の筋肉に、異常が生じ、物が二重に見える(複視)ことがあります。さらに、意外な原因として、「薬の副作用」も、見逃せません。市販の風邪薬や、アレルギーの薬に含まれる、一部の「抗ヒスタミン薬」や、うつ病の治療に用いられる「抗うつ薬」、あるいは、パーキンソン病の薬などには、「抗コリン作用」という、副作用を持つものがあります。この作用は、毛様体筋の働きを、麻痺させてしまうため、瞳孔が開き、ピントが合いにくくなる、という症状を引き起こすことがあります。もし、新しい薬を飲み始めてから、ピントの不調を感じるようになった場合は、その薬の副作用の可能性も考え、主治医や、薬剤師に、相談することが重要です。
目だけじゃない?全身の病気が発するSOS