緑内障が進行し、視野の欠損が、広がってくると、私たちの日常生活には、具体的に、どのような支障が、現れ始めるのでしょうか。中心視力が、比較的、最後まで保たれることが多い、緑内障では、その不自由さが、周りの人からは、なかなか理解されにくい、という、特有のつらさがあります。まず、初期の段階で、問題となるのが、「空間認識能力の低下」です。自分では、見えているつもりでも、視野の、特に、下半分が欠けていると、足元の、小さな段差や、障害物に気づかずに、つまずいたり、転倒したりする危険性が、著しく高まります。また、視野の、鼻側が欠けていると、食事の際に、テーブルの上の、コップを倒してしまったり、あるいは、人混みの中で、横から出てきた人に、ぶつかってしまったり、といったことが、頻繁に起こるようになります。病気が、さらに進行し、視野狭窄が進むと、「探索能力の低下」が、顕著になります。棚の上で、何か物を探そうとしても、視野が、筒の中から覗いているような状態(トンネルビジョン)になっているため、顔を、大きく、何度も動かさないと、目的の物を、見つけ出すことができません。スーパーマーケットで、商品を探すのに、異常に時間がかかったり、人ごみの中で、友人を見つけられなくなったりします。そして、中心部近くまで、視野欠損が及んでくると、「読書」や「書字」にも、支障が出始めます。文章を読んでいると、行を飛ばしてしまったり、文字の一部が、欠けて見えたりするため、内容を、正確に、理解することが、困難になります。さらに進行すれば、「人の顔の判別」が、難しくなります。相手の顔は、中心で見ているつもりでも、鼻や口といった、部分しか認識できず、顔全体の表情を、読み取ることが、できなくなるのです。そして、最終的には、運転免許の更新が、できなくなったり、慣れた道でさえ、一人で歩くことが、困難になったりと、自立した生活そのものが、脅かされることになります。これらの、QOL(生活の質)を、著しく低下させる、様々な困難は、高い眼圧を、放置した、静かなる、しかし、あまりにも、過酷な結末なのです。
日常生活への影響、視野が欠けると、どうなるのか