白内D”症の”もう一つの、非常に特徴的で、かつ、日常生活に支障をきたしやすい初期症状が、「光に対する過敏性」の高まりです。具体的には、「太陽の光や、室内の照明が、以前よりも、やけにまぶしく感じる(羞明:しゅうめい)」、「街灯や、対向車のヘッドライトの光が、ギラギラと、にじんで見える」といった症状です。この症状は、特に、夜間の運転中に、顕著に現れることが多く、「対向車のライトが眩しくて、目がくらみ、歩行者や、道路の白線が見えにくい」といった、具体的な危険に繋がることも少なくありません。光が、一つの光源として、シャープに見えるのではなく、その周りに、まるで光の輪(ハロー)や、光の筋(グレア)が見えるように感じるのも、この症状の一種です。この、光のまぶしさや、にじみも、前述の「かすみ」と同様に、濁り始めた水晶体による「光の乱反射」が、根本的な原因です。透明な水晶体であれば、入ってきた光は、制御されて、網膜上の一点に集光されます。しかし、水晶体の中に、濁った部分が存在すると、その濁りが、プリズムのように作用し、光を、あらゆる方向に、乱雑に散乱させてしまうのです。特に、夜間、暗い中で、強い光源(ヘッドライトなど)を見ると、その散乱した光が、網膜全体を、過剰に刺激するため、ギラギラとした、不快なまぶしさとして、感じられます。これは、汚れた車のフロントガラスで、対向車のライトを見た時に、光が乱反射して、視界が悪くなるのと、全く同じ原理です。この症状は、白内障の中でも、特に、水晶体の中心部(核)から濁りが始まる「核白内障」の初期に、現れやすいとされています。日中の日差しや、夜の運転が、以前よりも、苦痛に感じるようになったら、それは、単なる目の疲れではなく、白内障の進行を疑うべき、重要なサインなのです。