白内障の予防を考えるとき、多くの人が、手軽な対策として、「サプリメント」に、興味を持つかもしれません。ドラッグストアには、「目に良い」とされる、ルテインや、ブルーベリー(アントシアニン)、ビタミン類など、様々なサプリメントが、並んでいます。これらのサプリメントは、果たして、白内障の予防に、本当に、効果があるのでしょうか。その問いに対する、現在の、科学的な見解は、「限定的な可能性はあるが、過度な期待は禁物」というのが、正直なところです。まず、最も研究が進んでいるのが、「抗酸化ビタミン」である、ビタミンC、ビタミンE、そして、β-カロテンです。アメリカで行われた、大規模な臨床研究(AREDSなど)では、これらの抗酸化ビタミンと、亜鉛を、組み合わせたサプリメントが、加齢黄斑変性の進行を、抑制する効果は、示されましたが、白内障の進行予防に対する、明確で、一貫した効果は、残念ながら、証明されませんでした。ただし、一部の研究では、これらの栄養素を、食事から、豊富に摂取している人は、白内障のリスクが低い、という関連性も、報告されています。次に、近年、注目されているのが、「ルテイン」と「ゼアキサンチン」です。これらは、緑黄色野菜に豊富な、カロテノイドの一種で、私たちの水晶体にも、存在しており、紫外線や、ブルーライトといった、有害な光を、吸収するフィルターの、役割をしています。いくつかの研究では、ルテインの摂取量が、多い人ほど、核白内障のリスクが、低いことが示唆されており、予防的な効果が、期待されています。しかし、これらの研究結果も、まだ、決定的とは言えません。サプリメントを、利用する上で、最も重要な心構えは、それが、「魔法の薬」ではない、ということを、理解することです。サプリメントは、あくまで、バランスの取れた「食事」を、補うための、補助的な役割に過ぎません。特定の成分を、高用量で、摂取することが、必ずしも、良い結果に繋がるわけではなく、場合によっては、過剰摂取による、健康被害のリスクも、考慮しなければなりません。サプリメントに、多額の費用を投じる前に、まずは、日々の食生活を見直し、カラフルな野菜や果物を、十分に食べること。それが、最も安全で、確実な、内側からの、予防策となるのです。
サプリメントの効果は?過度な期待と賢い付き合い方