失明は他人事ではない、静かに忍び寄る「見える」の危機
私たちが、当たり前のように享受している「見える」という感覚。しかし、そのかけがえのない光は、ある日突然、あるいは、気づかぬうちに、静かに失われてしまう危険性を、常に、はらんでいます。目が見えなくなる病気、すなわち「失明」に至る可能性のある眼疾患は、決して、遠い国の話や、過去の物語ではありません。現代の日本において、中途失明(人生の途中で視力を失うこと)の原因となる病気は、私たちの、ごく身近な生活の中に、潜んでいます。厚生労働省の研究班による調査では、日本における失明原因の第一位は「緑内障」、第二位は「糖尿病網膜症」、第三位は「網膜色素変性症」、そして第四位が「加齢黄斑変性」と報告されています。これらの病気に共通する、最も恐ろしい特徴、それは、その多くが、初期の段階では、ほとんど「自覚症状がない」まま、進行するということです。痛みやかゆみといった、分かりやすい警告サインを発することなく、静かに、そして、着実に、視覚を支える、眼の最も重要な組織(視神経や網膜)を、蝕んでいくのです。そして、患者さん自身が「なんだか見えにくいな」と、異常に気づいた時には、すでに、病状は、かなり進行しており、失われた視機能は、二度と、元には戻らない、という、過酷な現実に、直面することも少なくありません。しかし、絶望する必要はありません。これらの病気の多くは、「早期発見」と「適切な治療の継続」によって、その進行を、大幅に遅らせたり、食い止めたりすることが、十分に可能です。目が見えなくなる病気について、正しい知識を身につけ、その静かなるサインを、見逃さないこと。それが、あなたの未来の「見える」を守るための、最も重要で、力強い、第一歩となるのです。