緑内障の点眼治療は、高血圧の薬と同じで、症状がない中で、生涯にわたって、毎日、継続していかなければなりません。この「継続」こそが、治療における、最大の、そして、最も難しい、課題です.「うっかり、差し忘れてしまった」。そんな経験は、誰にでもあるでしょう。しかし、その「うっかり」が、頻繁に重なると、眼圧のコントロールが、不安定になり、病気の進行を、早めてしまう危険性があります。点眼を、歯磨きと同じくらい、当たり前の、無意識の習慣にするための、いくつかの具体的な工夫をご紹介します。まず、最も効果的なのが、「生活のルーティンと、結びつける」ことです。例えば、「朝起きて、顔を洗ったら、すぐに差す」「夜、歯を磨いて、ベッドに入ったら、差す」というように、毎日、必ず行う、決まった行動の「直後」や「直前」に、点眼を組み込んでしまうのです。これにより、「歯を磨いたから、次は目薬」というように、自然な流れで、思い出すことができます。次に、「見える化」も、有効です。目薬のボトルを、洗面台の鏡の前や、ベッドサイドのテーブルの上、あるいは、食卓の上など、毎日、必ず、自分の目に入る「決まった場所」に、置いておきましょう。視界に入ることで、「あ、差さなきゃ」と、思い出すきっかけになります。家族の目に付く場所に置けば、「お父さん、目薬は差した?」と、声をかけてもらうことも期待できます。さらに、現代ならではのツールとして、「スマートフォンのアラーム機能や、リマインダーアプリ」を、積極的に活用しましょう。点眼する時間を、毎日、アラームが鳴るように設定しておけば、忘れることは、格段に減ります。点眼を記録する専用のアプリなども、モチベーションの維持に役立ちます。そして、もし、差し忘れてしまったことに気づいた場合は、どうすれば良いのでしょうか。原則として、「気づいた時点で、すぐに点眼」してください。ただし、次の点眼時間が、非常に近い場合(例えば、夜、差し忘れたのを、翌朝に気づいた場合など)は、その回は、飛ばして、次の、通常通りの時間に、一回分だけを点眼します。一度に二滴差したり、二回分を差したりしても、効果は上がらず、副作用のリスクが高まるだけです。継続は力なり。自分に合った工夫を見つけ、この地道な習慣を、味方につけてください。